10月10日 (2013-10-10)

 A子は、B病院で出産したが、生まれた子は、直後低酸素脳症で重度の脳性麻痺となった。
 A子が、ベッドで授乳中、うとうとして、乳房で子を圧迫したのかもしれない。 授乳の体位や時間など、見回りの看護師の指導が適切でなかった、と病院に損害賠償を求め提訴したが、敗訴してしまった。
 A子の苦労は、大変なものである。退院した子を毎日リハビリセンターに通わせて、少しでも首が据わるように、握力が出るように訓練を受ける。食事から排泄、入浴、すべて介助しなければならない。
 それが、今後何十年と続くのだ。
 出産によって、重度の脳性麻痺になった子どもに対して補償する「産科医補償制度」については、日本医師会や産婦人科医会などが、補償対象の拡大を求め、厚生労働大臣も「前向きに対応したい」と返事をしたというニュースを読んだ。
 この制度は、子どもが脳性麻痺になった原因を分析するため、それまでは裁判をしなければ、事実経過が明らかにならなかった産科医療事故の透明性が進んだという。そして、原因分析の結果から、脳性麻痺事例の過半数で診療ガイドラインを大きく逸脱した行為があったことがわかり、今後の再発防止策によって、脳性麻痺事例を減らす可能性が高まっているという。
 歓迎すべき傾向だ。

この記事を書いた弁護士

弁護士 藤田 紀子
弁護士 藤田 紀子
仙台で弁護士を始めて50年以上。

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