3月20日 (2011-3-20)

 A先生は、一審の判決に納得できず、また私に依頼して、控訴した。言い分は、一審の裁判であれも調べていない、これについても判断していないという、いわゆる審理不尽である。
 高等裁判所で、裁判官が和解の席を設け、A先生に裁判官がいろいろ諭してくれた。「裁判で、何でもかんでも解明できるものではありません。証拠上いつから不貞があったと認定できれば、その前に二人だけでお茶を飲んだの食事をしたのということは問題ではないのです。また、夫婦の間が破綻していないと認定できれば、いちいち細い夫婦喧嘩の内容までは問題にしないのです。それをどちらの言い分が事実か争っても、裁判所はそこまでは関与しません。」
 私には、ごく当たり前のことで納得できるが、果たして、A先生は納得してくれただろうか。

この記事を書いた弁護士

弁護士 藤田 紀子
弁護士 藤田 紀子
藤田・曽我法律事務所代表弁護士

仙台で弁護士を始めて50年以上。

この地域に根を張って、この地域の人々の相談に応じ、問題の解決に図るべく努力をしてまいります。

注:弁護士 藤田紀子は令和5年3月12日に満77歳で急逝いたしました。