交通事故での謝罪の有無は慰謝料額に関係する?
交通事故の被害者が,加害者側の保険会社からの示談の申入れを拒絶するときの理由に,「本人から一言のお詫びもない」など,加害者の不誠実な態度が挙げることがよくあります。
交通事故の加害者がお詫びをしないことは,被害者を怒らせるだけでなく,慰謝料を増額させる要因にはならないのでしょうか。
加害者側の悪質性というのも,例えば,飲酒運転とかひき逃げなどであれば,慰謝料の増額要素となり得ます。
自分が悪いにもかかわらず,かえって被害者を非難するような言動を取ったという場合も,その内容や言い方が余りにひどければ,増額される可能性があるでしょう。
謝罪の有無により慰謝料が増額することは?
しかし,単に謝罪しなかったというだけでは,慰謝料が増額される可能性は低いと言わざるを得ません。
もっとも,これは,裁判になったときに,裁判所が正面から慰謝料の増額事由として取り上げる可能性は低いという意味です。
「一言謝罪があれば,被害者も裁判までは起こさなかった」→「裁判まで起こされたことで,任意に示談した場合より多くの慰謝料を払うことになった」というように,結果的に慰謝料が「増額」することはあり得ます。
交通事故も様々で,どちらが悪いと一概に言えないケースもあります。
しかし,明らかに自分に非がある,そして相手が怪我で苦しんでいる,というのに,まったくお詫びしない加害者がいるのも事実です。
そのような加害者の対応は,人としていかがなものかと思いますし,いたずらに被害者を刺激して解決を長引かせるだけで,誰にとっても得にならないように思います。